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心理面接

2006年06月02日 / 金曜日 / AM11:32

おもいきって、心理面接の一場面を描写してみました。別のところにもちょっと書いたことがあるのだけど、無限大のこころの世界や、無尽蔵のナラティヴ(ものがたり)を生きるってこういうことなのか〜、セラピストとクライエント(来談者)のこころが触れあうってこんな感じなんだ〜って思っていただけたら幸いです。

「今日は・・、あぁ!なるほど!気分が落ち込むんですね・・」

インテーク用紙に目を走らせ、視線を上げて患者さんを見つめる。

ちょっと緊張した面持ちから、

いつも自分が初めて患者になったときの瞬間を思い出す。


「えぇ・・・」

ちょっとうつむき加減だった患者さんが

意を決したように貌を上げ、言葉が流れ出す瞬間、

相手の肩越しに見える表参道の街並みに

見るとはなしに視線を漂わせながら

私の意識は自分の中を観ており、

言葉では表現できない何かが動き出すのを観じている。

こころがこころと出逢うことの不思議を

なんと表現していいのか。

「・・・・・・」


・・・・言葉が途切れた・・・・・


「それは、もしかするとこういう感じじゃなかったのですか?」


医師であると同時に、

かつて同じ苦悩を抱いた一人の人間として

相手の言葉がリフレーミングのように

自然に口をついて繰り返している。


「・・・そうなんです!」

相手の貌が輝く。

途端に、目の前か自分の中かわからない「場」に

映像にならないストーリーが展開する。

観念と物質の区別もなく

「私」と「他人」との境界も揺らぐその領域で

この世ならざる世界を観じ

この世を突き動かす根本に触れ

そして存在するUnus Mundus(一なる世界)。


「それはね・・・・」


イマージュを観じながら、それをコトバに翻訳する。


まるで海に潜って魚や貝を採っては、息継ぎに水面まで戻る

海人(あま)になったような気分。

「そぅ!そうなんです!」


やっとわかってもらえた・・・そういう想いが伝わってくる。


『今、此処』で、向き合う相手と私が織りなすタペストリー。

『この場』で展開する関係性という容器に織り込まれた生きた物語。

これが私の心理面接のやり方。

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